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アーラ:一つの物語のもとに11ブランドを統合

事例:
デンマークに本拠を置くアーラ フーズは、「BUKO(ブコ)」ブランドを擁する世界最大級のクリームチーズメーカーです。日本でも同社の製品は製菓・製パン業界など業務用分野で高い評価を受けています。

しかし同社のクリームチーズは、製品の中身は同じであるにもかかわらず、30年にもわたって11もの異なるブランド名で展開されてきました。その理由は、長年にわたり多くの商社・食品卸会社が自社独自のブランド名を保持してきたためです。しかし、他の輸入製品との競争激化に伴い、こうしたビジネスのやり方は行き詰まりつつありました。それまでアーラ フーズ(ジャパン)のプロモーション活動は、「デンマーク産クリームチーズ」というひどく曖昧な言葉に頼るのみでした。そうしなければ、ただでなくても複雑な商流のネットワークに混乱が生じかねません。そうこうするうちに同社の市場シェアは縮小し始め、状況を変える必要に迫られていました。

ネクスト インクは、クリームチーズ「BUKO」ブランドへの一本化とブランドイメージの統一を円滑に進めるためのパートナーに選ばれたのです。

私たちはまず、製品の商流を理解すべく市場調査に着手しました。その結果を踏まえ、統一ブランドのコミュニケーションプラットフォームを策定し、「BUKOの物語」を編むプロジェクトをスタート。

BUKOの物語をつくるためには、BUKOのルーツを訪ねなければなりません。そこでネクスト インクのコピーライター2名(日本人とアメリカ人)が北欧デンマークに向かいました。彼らは酪農家に会い、環境に配慮した洗練された生産方法に驚き、幸福そうな乳牛をたくさん目にしました。さらに地元の一般家庭を訪ね、有名なシェフにも面会しました。

10日間に及んだ取材旅行の結果、2名は素晴らしい物語を持ち帰りました。現地での経験や数々のインタビュー、写真をもとにして、見事な装丁の「ブランドブック」が誕生しました。これはまた、パッケージデザイン、PR&メディアイベント、広告、ニュースレター、ウェブサイト、プロ対象のレシピコンテストなど、その他すべてのコミュニケーションの礎となるものでした。

BUKOには語るべき物語がある。頼るべき羅針盤がある。そこに基礎を置く限り、コミュニケーションの方向性に迷うことはありません。